美祢地域合併の問題点
■県内の合併が一段落つき、合併後の選挙も一巡したところですが、美祢地域は1市2町合併がおこなわれようとしています。
この地域の問題点は、合併しようとしている市町が、いずれも財政状況が大変厳しいということです。
美祢市は、実質公債費比率が県下で山陽小野田市に次いで悪い22.8%
秋芳町は、実質公債費比率は県下で最低レベルの11.3%ですが、住民一人あたりの地方債残高(借金残高)は88万円で第5位
美東町は。実質公債費比率が6番目の19.6% 一人あたり地方債残高は92万円で第4位
合併しても、地方債の返済に苦しみ、住民サービスの削減が心配されます。
合併しても人口5万人に達せず
■この地域が合併しても人口は、3万2千人で5万人に達しません。現在の地方交付税制度では、人口5万人以下は配分が少なくなります。
その上に、合併したときの特典とされた、合併特例債や地方交付税の特例など、特別措置のほとんどが受けられません。
有るとすれば、合併することによって、役所関係の人件費の削減が大きくできるということしかありません。 しかし、人口が少なく広大な面積を持つことになりますから、職員を減らすにも限りがあります。
水源と食料供給地として
■美祢地域が今後生き延びていくための手段の一つとして、地域の特性を生かしていくことが必要です。美祢地域は、山陽側都市部の水源を持っています。 山陽小野田市水道局は、秋芳町地区に水源涵養林の取得事業を毎年進め、水源保護に取り組んでいます。
水源を持ち都市部に供給することを自覚し、財政的支援を呼びかけることもできるのではないでしょうか。
また、広大な農業地帯であり、安全でおいしい食糧供給は、この地域ならではの特性ではないでしょうか。
財政計画の分析をしっかりと
■山陽小野田市は、合併協で示された財政計画がはじめから18億円の財源不足が、ハッキリと示されていたにもかかわらず、市長と議会の多くが合併を推し進めた結果、職員給与の5%カットや各種補助金のカットがすすめられたり、必要な工事が行えないなどの財政問題が市の重要課題となっています。
美祢地域の財政計画は、これから発表されるようですが、指標に表れている数字が悪い上に基金残高(04年度)が、特定目的基金を含めて美祢市22億円、秋芳町1億円、美東町2億1千万円で、合計しても約25億円しか有りません。財政繰り入れに使えるのが12億円です。
昨年度いくら取り崩したかによりますが、どちらにしても基金がお寒い状況であり、合併することで財政が好転するとも思えませんので、合併が引き金となって住民サービスの切り捨てが行われるのではないのかという心配があります。
小さくても合併せずにがんばっている矢祭町のような、住民を巻き込んでの生き残り策が必要です。